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“相場は常に正しい”は本当か

「相場は常に正しい」という言葉があります。当然ですがマーケット(市場)が株価を決めており、そのように考えないと失敗するという意味の格言です。

もちろん大体においてそうだと思いますが、マーケットの予想が外れたり一時的に乖離することがあります。では、投資タイミングを図るにはどうしたらいいでしょうか。

ここで、マイクロソフト<MSFT>とS&P500を例に考えます。2020/8/5現在、マイクロソフトの予想PERは33倍S&P500のPERは22倍ほどです。

PER:1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているかの指標
S&P500:米国大型株の指標として広く認識された株価指数
1年チャート比較


現在マイクロソフトはかなりの高PERです。この背景にはマイクロソフトが長期的に利益を稼ぐという投資家の期待が込められています

マイクロソフトは最近二桁成長が続いています。これはかなりすごいことですよね。マイクロソフトのような大企業が毎期毎期+10%以上の成長をしているんですから。クラウドサービス、Azureが好調なためです。

しかしこの成長がいつまで続くか。もし現在、二桁成長が10年以上続くと考える人が多く、そして5年後に+5%成長になったら株価は下落するでしょう。昨今はアルゴリズムによる機械売買も大きな比率を占めますが、その売買の基準を作るのは人ですからやはり同じです。

今のマイクロソフトは割高か、それとも長期投資では割安か、それは判断できませんね。我々にできるのは決算の度に目を通し、その都度判断するしかない。

話は少し変わって、ジェレミー・シーゲル氏著の「株式投資の未来」という本があります。シーゲル氏の調査では意外な事実が判明します。

1950~2000年まで、米株で最もパフォーマンスが良かったのはハイテク株ではなく生活必需品(ヘルスケア)だったということです。


1980年代~2000年代といえばPC・インターネットが台頭してきた時代で、さぞ株主は儲かったのかと思いがちですが、実は違いました。


派手なハイテク銘柄ではなく、過度な期待はされていない銘柄(低PER・バリュー株)で配当を再投資することが大きなリターンを産んだようです。
シーゲル氏はこのことを「成長の罠」と呼んでいます。

(そのうちこの本について紹介しよう・・とっても面白いので)

さて、それでは現代はどうか、確かにGAFAのようなハイテク株は最高値を更新していますが、それはどのくらい先までの業績を折り込んでいるでしょうか。


ハイテク銘柄に対し、楽観的に考えるならGAFMA(Google Amazon Facebook Microsoft Apple)などはもはや生活必需品になったので「成長の罠」には該当しないと考えることができます。


高度経済成長期のハイテクの台頭と現在のこれらの企業群は生活レベルの浸透度が違います。


みんなGoogleで検索し、Amazonで商品を注文し、Facebookで友達とやりとりをし、マイクロソフトのofficeで仕事をし、たくさんの人がiPhoneを使っています。もう生活必需品ですよね。


ここまで私たちの生活に浸透していると、今世紀はハイテク産業が最も良いリターンを生む可能性もあります。

短気はもちろんですが、長期にしたってマーケットは正しく評価できないというのが今の私の考えです。

それにしてもAppleはすごいですね・・
最近のニュースです。
“Appleの株式時価総額が約190兆円を突破、世界最大の上場企業となる”

今からでも買いたい・・ほっとけば損はしないだろう思う、けど怖い。。

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