※20/7/25:グラフデザイン変更 本文更新
今回はオリックスについて分析します。
高配当・高利回り優待で人気な銘柄です。
会社概要
オリックス [ その他金融業 ]
オリックスHP
オリックスは、1964年にリース事業からスタートして隣接分野に進出し、専門性を獲得することにより事業を進化させてきました。現在は法人金融、メンテナンスリース、不動産、事業投資、リテール、海外事業の6つのセグメントから構成されています。
リース事業は「金融」と「モノ(物件)」の2つの専門性を必要とします。リースで培われた「金融」の専門性は、現在では融資、投資、生命保険、銀行、資産運用事業へと広がりました。「モノ」の専門性は、自動車関連、不動産、環境エネルギー関連事業へと広がっています。
また、1971年の香港進出を皮切りに世界37カ国・地域に拠点を設け、グローバルに展開しています(2019年3月末)。
オリックス公式サイトより

このように、多事業展開している企業は評価しづらく割安な株価となっていることも多いです。しかし、オリックスは高配当・優待のため雑誌等で取り上げられることも多く人気があるためその法則にはあまりあてはまりません。
決算だけでなく、各セグメントの状態もチェックしておくほうがよいでしょう。
セグメントが多いためか、投資家にも見やすいよう決算資料は充実しています。
株価

中期・長期で見れば1500-2000円のレンジで上下しています。コロナショックで1200円ほどまで下落しました。影響を受けやすいリース業もあるため、今後も注意が必要です。(新型コロナの影響は21.3期から受ける模様)
↓最新の株価はこちら↓
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=8591.T
指標
参考指標
予想PER 8.72
実績PBR 0.56
一株利益 ¥237.4
一株配当(利回り) ¥76(5.72%)
※20/6/30時点
コロナの影響で株価が下がりPERは低くなっています。
配当利回りも5.7%と高利回りになっています。
決算説明書に下記の記述がありました。
✓ 株主還元の強化 : 投資は優先するものの不必要な資本は維持しない。余剰資本は還元。
株主重視の姿勢がみてとれます。また自社株買いも積極的に度々行っており、1株当たり利益の上昇に貢献しています。

売上高
売上高 = 売上数量 × 販売単価

2018年までは右肩上がりですが、最近は微減傾向です。コロナの影響が濃く出る21.3期の予想があまり落ちてないのは良いですね。
利益
売上総利益(粗利益)= 売上高-売上原価 営業利益(本業での儲け)= 売上総利益-(販売費+一般管理費) 純利益 = 最終的に会社に残ったお金

19年までは上昇していましたが、最近は減少傾向にあります。
配当性向
配当性向は30%くらいで、配当の増配・維持が期待できます。
また、下記の通り21.3期は配当性向を引き上げることから、減配させない意志が伝わってきます。
↓↓↓決算資料より↓↓↓
✓ 20.3期 通期配当額 76円(配当性向32%)、21.3期 中間配当予想 35円
✓ 21.3期に限り、配当性向を 50%まで引き上げ
✓ 自社株買いの検討は、コロナ収束後に行う

また、20年5月に131,395万株の消却を行っています。4月に自社株買いをした分の消却とみられます。コロナ禍で株価が下落したので安く自社株を買い戻したのでしょう。株主としては嬉しい行動ですね。
ROE・ROA(収益性分析)
自己資本利益率(ROE)=当期純利益/自己資本×100 株主が拠出した資本(自己資本)を利用して、どの程度の利益を上げているか。10%を超えると経営効率が良い。 総資産利益率(ROA)=当期純利益/総資産×100 会社が持っている資産を利用して、どの程度の利益を上げているか。 6%を超えると優良企業。

ROEは10%を超えていますので合格点です(減少傾向ですが)。自社株買いが寄与していそうです。
↓↓↓決算資料より↓↓↓
✓ ROE 10.3%:中長期的にROE 11%以上を目指す
対して、ROAは若干低めです。ROAは負債も含め、総資産が利益を生み出す力、の指標なのでROEよりもシビアに分析できます。
セグメント別

No | セグメント | 20.3期セグメント利益(億円) | 前期比 |
1 | 法人金融サービス | 146 | -109 |
2 | メンテナンスリース | 337 | -51 |
3 | 不動産 | 769 | -124 |
4 | 事業投資 | 557 | +175 |
5 | リテール | 804 | -38 |
6 | 海外 | 1564 | +310 |
21.3期がどうなるかはコロナ次第なんですが、セグメント利益の4割を「海外」が占めていることが気になります。コロナ被害は海外のほうがひどいですからね・・
リースやシェア事業は今の状況こそ危ないような気もしますが、長期で見れば所有からレンタルへの流れは続くと考えられます。そのため長期で持つ分においてはそこまで悲観することはないというのが私の考えです。
株主優待


株主優待は「株主カード」と「カタログギフト」です。
カタログギフトは3年未満だと5000円相当、3年以上だと10000円相当です(相当額の表記はありませんがこのくらいらしい)。
株価1400円としても、優待だけで5000円相当だと3.57%(9.00%)、10000円相当だと7.14%(12.57%)の利回りがあります。※()内は配当も足した総利回り
減配等がなければ長期投資にもってこいの銘柄といえますね。
↓優待詳細記事↓
https://investing-takumi.net/stockholder-bonus/8591-yuutai200724/
コメント

オリックスは設立初年度を除き、55年間毎期黒字を計上している会社です。
事業内容をいくつも持っていることから、1つの事業が不調なくらいでは会社が大きく傾くことはありません。
気になるコロナの影響について以下のような予想を出しています。
↓↓↓決算資料より↓↓↓
✓ 世界も日本も、上半期中にコロナの問題が収束するとは考えにくい
- 第三四半期末までに緩やかに正常化した場合、純利益は 1800億円~2000億円前後と試算
- 今期末まで問題が継続すると仮定した場合、純利益は 800億円~1200億円前後と試算

これをグラフに乗せると上のような感じです。緑が楽観的な予測、オレンジが悲観的な予測です。
こうしてみるとかなりの打撃を受けることがわかります。
21.3期と言わず、影響が長引くと配当・優待にも影響が出るかもしれません。
以上、人気銘柄 オリックス<8591>でした。